海外学振の申請者減りすぎじゃね?!?!


 しばらくぶりの投稿です。助教としてなんかよくわかんないけど忙しく過ごしています。最近よく聞かれる質問が、「海外経験ある若手が助教に応募してきて欲しいんだけど、誰かいませんか?」


という問い。


いるにはいるよ。でもね、日本の助教ポジションに興味ないっぽい。もしくは僕の友人で研究ができて海外経験があるのはほぼ外国人ですよ。そういう人は雇う気はないんでしょ?彼らも日本に来てくれるわけではないし。


日本人の若者でめぼしい候補がいないのは、なぜなのか。複雑にいろいろな要因が複合してると思う。


とりあえず思いつきであれこれ述べる前に、現状の分析だ!海外に行く人がほぼ絶対に出す、海外学振の人数の変遷をみていきましょう。そこで衝撃の事実に気づきました。


図1 海外学振申請者(化学領域)

なんと、化学のカテゴリーで海外学振の申請者が右肩下がりで減少を続けて、今年2025年度採用に応募した人はわずか20人に。。。データはちょっと前から学振のホームページで公開されていた物に最近の申請者の数を追加して作成しました。


これが化学に特異なのか、全体の傾向なのか。全体の海外学振の申請数と比較してみましょう。

図2 海外学振申請者(全体と化学)

化学のみならず全体もやや減少傾向です。しかし2023年のコロナ収束?をみて全体は再度応募者が微増していますが、化学は減少を続けています。。。日本のお家芸、化学もここまでか?!

ここで考えられる要因は、企業への流入。化学では博士を取得後に企業へいくパスが他の分野の学位よりも開かれている。最近知り合った博士の学生の多くは、優秀にせよそうではないにせよかなりの人が企業に行っている。実際自分のでたラボの後輩も半分以上は企業に行った。

そんな感じで企業に行く人が増えたのは大歓迎だ。じゃあアカデミアにいく人材をどう確保すればいいのか、そんなもん、企業でちょっと給料が高く身分が安定した状態で働けること以上に若手研究者のポジションが魅力的である以外に方法はない。


図3 海外学振の採択率の推移

そんなかんじで申請者が減ってきたので、採択率は上昇中です。といっても30%いかないくらいですが。この状況でも応募してくれる人の25-30%なのでまだまだタフであることに変わりはないでしょう。


先週、国際学会に参加していて思った。日本人の若手のプレゼンスの低さ。アメリカでの学会で参加人数はアメリカ、イギリス、ドイツに次いで4位なのに、会場にいない。発表してる人も少ない。招待公演は日本のいつもの大御所の先生たちだけ。。。

海外でのポスドクでかなり海外の友人を増やした僕は、ほぼずっと外国の友人と喋っていた。そういう外人の友達が多い若手の人ってどれくらいいるのかな?

申請者が少なくなったからと言って海外学振のレベルが下がってるわけではなく依然難しいとは思う。単純に人数が少ないのは問題だ!目指そうぜ、海外でのポスドク!海外でポスドクした人はやっぱりコミュニティが広いし、なんやかんやでなんかうまくいってる人が多い!


マジで、なんとかなーあれ。