数多の改訂を超えてようやくスイスでの論文を投稿することになりました。



投稿先はJACS、言わずと知れた化学系最高峰の難易度のジャーナル。

昨年と一昨年ともに、昔の所属の論文を出したときはアソシエートエディターさんが15%しかアクセプトされないからすまんな。と言ってレビューもなく掲載拒否された非常に敷居の高いジャーナルです。片方はその後Chemical Scienceというそれに準ずる難しめのジャーナルで10点満点を2人のレビュワーにつけてもらってエディターチョイスになった結果なのに。。。


この上にはNature ChemistryとNature、Scienceくらいしかありません。これらのジャーナルは投稿してから厳しい査読が一年以上続くので、これ以上時間に猶予がない高齢ポスドクはJACSが実質的に最高難易度な場合が多いです。


今回の論文作成でいろいろなことを学べた。論文のうまい書き方から、カバーレターの書き方、サジェストするレビュワーの選定、こんなにうまくやる方法ってのがあるんだなあと感心するばかりだ。



今回の論文は紆余曲折を経て、最初はしょうもない結果だと思ってたのが、よくよく調べて解析すると、とても示唆に富む考察を引き出せた。流行の分野において、流行と異なる自分たちの仮説で新規の化合物を作り、複数の示唆に富む物性と解析をもってあらたな視点を提案できた。また、その物性値もフェアーに大きな躍進と思える。


でもJACSに何度も煮え湯を飲まされてきたこともあり、すごくいい結果と思っても、通ると思えないのは本気で頑張ってもJACSを出せたことがない日本人の総意だとおもう。


さて投稿された論文はどうなるか。

むかしはピーター・スタングというチーフエディターがいて、そのお眼鏡(彼のイニシャルレビューをアシストするチーム?)に認めてもらってアソシエートエディターにアサインされる。今はあたらしいチーフのエリック・カレーラというチューリッヒ連邦工科大学の教授になった。このプロセスで通常1-3日ほどかかる。しかしなんと今回は投稿から数時間でアソシエートエディターがアサインされた。すごい、こんなこと今までなかった。。。ポジったら落ちた時つらいのはわかるけどポジりたくなる。。。


次の関門はアソシエートエディターがレビューに回すかのチェックである。このエディターの二段階チェックで半分以上の論文は掲載拒否されるといわれている。正確な数字はしらないがレビューに回るとおおよそ4-5割は採択とまことしやかに言われている(これまでの先生たちの意見、ソース不明)。


うちの論文を好意的に扱ってくれているアソシエートエディターにアサインされた。ボスは多分もうレビュー回ってると思うな、と楽観的だ。。。アソシエートエディターを超えてレビューに回っている場合はしばらくメールは来ない。一方で、ここでリジェクトされる場合は数日間の間にメールが来る。ストレスフルな日々は続くのである。



うぉぉ、なんとかなってくれ。

火事、家族と一緒に暮らせないこと、職探しも滞っている。ここ数年単位でいいことがなさすぎるので、嫌な予感がする。とりあえず、投稿したことを忘れて日々一生懸命に前進することを心がけよう。


インド人同僚が投稿のお祝いにカレー作ってくれた、ありがてえ。