このページでは日本では見なかったスイスの化学系ラボの小技やいいと思った点を紹介します。写真はスイスに来て初期にショッキングだった、ピペットのスポイトが硬いゴムで透明じゃないし使い勝手が悪くて絶望して撮ったやつです。良いも悪いもいろいろあるのが海外。床はレンガ、間違って落としたガラス機具を洗わなくてよくしてくれる優しい相棒です。


・エバポ洗浄

アセトンを入れた二口ナスフラスコをつけてもう一つの口を指で押さえて減圧吸引します。ある程度引いたところで指を離してジャバッとアセトンで洗えます。日本でもやってる人はいるかもしれませんが、スイスに来るまでしりませんでした。なんかパッキンやグリースのところ痛むかなとか思うんですけどそうでもないっぽいです。


・食洗機

技というか、ガラス機具は食洗機で洗います。洗剤の代わりに塩基で、濯ぐ水が全部脱イオン水になってます。効率化の極みです。


・NMRオートサンプラーとキューシステム

汎用測定用のNMRはオートサンプラーに逐次ぶち込んで測定法を指定して放置です。測定結果は自動でオンラインフォルダーにアップロードされます。時間が最小限でマシンタイムは回っていきます。(全ラボ共通機器) オートシムが甘い時が多いのが気になりますが…


・ラボ所有の化合物の棚の仕分け方

日本だと名前のアルファベットが一般的かと思います。こちらでは炭素数です、目から鱗なんです。名前は色々な慣用名があるけど使いたい試薬の炭素数は間違いなく知ってますよね、正確な名前がわからなくても。すごくいいシステムだと思いました、問題はC6-C10の個数がやや多いこと。それでも名前の被りよりは少ないかもしれませんが。


・ショップシステム

ラボの日用品であるなんとかワイプ、ニトリルグローブ、ガラス器具などはテクニシャンが運営するショップで買うシステムです。ラボ一個一個が別々に発注をしないでまとめてそのテクニシャンが発注してくれます。必要な分だけバーコードリーダーで読み込んで買って行きます。汎用溶媒とNMR重溶媒、アルドリッチの乾燥溶媒ショップも同じくテクニシャンが運営してくれてます。日本でもできればラボの雑用激減間違いなし。


・ミーティング頻度

半年に一回しか発表は来ません。すごくミーティングに割かれる時間が減りました。最初はこんなんじゃ研究しないやつ出てくるだろうと思ったのですが、みんな真面目な研究室なら研究の進捗はミーティングの回数じゃないんだなあと衝撃を受けました。




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