化学系最高峰ジャーナル、Angew(アンゲ)とJACS(ジャックス)。そのどっちにだすか論争は長い歴史を持ちます。


最近得られた結構いい感じの研究をAngewに投稿するかJACSに投稿するか、って言った感じの悩みがありました。


現在のポジションに着任後2報目の責任著者としての論文を投稿する話です。いいとこ出せそうならどんどん挑戦しなきゃなって感じです。


内容はしっかり面白い気がするんだけど、いかんせんまだ走り始めたチームで、大きな懸念点はデータが少ないこと。化合物は一つで、測定の種類も多くはない。スイスで学んだ、いいアイディアにいいボリュームの実験をドーン!って感じの論文にできればいいんですが、そこまでデータが貯まるのは結構時間がかかります。他に出される前に、ここで一回結果を抑えに行きたいと判断して、この段階で論文投稿することにしました。


JACSかAngewの違いですが、色々と言われることがあると思います。自分の中では、Angewは昔から短いコミュニケーションを好むため、アイディア勝負でデータ少なめでも許されて、JACSは完成度の高い研究を好む。という印象があるような気がしています。


どちらももちろんとても掲載が難しい雑誌なのですが、これまでの指導者はJACSの後にAngewを試すことがほぼ100%でした。Angewの後にJACSは望み薄でしょっていう感じがこれまで自分のいたラボではありました。

ほぼ同等という先生が結構多く、自分の周りだとJACSが上という人はいても、Angewの方がいいという人はあまりいない印象です。なおヨーロッパだとAngewの評価は高めで、JACSはアメリカとアジアだと高いと言われています。


数年前に、Angewに人種差別的な記事が出て炎上した時はもう二台巨塔もおしまいかと思ったけど、全然まだどちらも同じという人は多い。


我々のデータ量から完成度は若干劣りアイディアで勝負な感じの内容なので、Angewを最初のターゲットを定めました。


どちらのジャーナルも半分以上の投稿された論文がエディターでリジェクトされます。Angewのエディターは雑誌が雇っているハウスエディター。PhDもちの元研究者です。彼ら曰く「毎日仕事として学術論文の評価をしているのだから、片手間で教授がやっているよりも評価をしっかりできる。」とのこと。でも、研究してなくて学会にも顔を出さずトレンドわかるんかな?って思ったりもしています。


一方で、JACSは大学教授たちがエディターなので人となりがわかりやすいです。卓越した研究者たちへの信頼は厚いですが、こんな忙しいのにちゃんとみてくれとるんやろうか?という疑問はいつもちょっとだけ思ってる節があるのは否めません。


全てのフォーマットを整え、Angewに通りそうな書き方を一生懸命して、さあ、投稿だ。。。なんか出来上がったのを見ると結構通りそうな気がしてくるのが不思議。


投稿するとエディターがレビューするかの判断を下します。大体2-5日で帰ってこなければレビューに回ってるという感じがします。


そして1週間が経過して、、、何もきませんでした。これはピアレビュー回ったなと確信してました。


投稿から13日後、ある夕方にメールが来ました。。。早いな、これは爆速で採択か?ってメールを開けると、、、エディターリジェクト。


2週間待ってデスクリジェクトって、なんでやねーーーん!


Angewでは出しません、Advanced Scienceにトランスファーしますか?


なんでやねーん。


そんなメールを受け取った次の日、とあるACSジャーナルのチーフエディターとあう機会があった。かなりオープンマインドで話しやすい人だった。


その人にアドバイスをもらった。面の皮を鍛えて何度でも挑戦しろ、カバーレターでめちゃくちゃアピールしろ、とのことであった。


よろしい、ならばJACSに挑戦だ。


次回、JACSにAngewをデスクリジェクトされた論文を投稿する話。