ABC予想に関する望月教授の論文が掲載されるようだ。写真はスイスで買ったスイスドイツ語キーボードのノートパソコン。ウムラウト(äとか)はあるがエスツェット(ß)はないのがスイスドイツ語。


日本のメディアの反応は「偉業」である。僕はなんちゃって研究者のさらに化学のいい加減な分野にいる手前、物理の定理や数学の証明などの紛れの無い(と実験側からは見える)研究に一種の憧れを抱いている。しかしながら、このABC予想の証明、詳しく見てみるとどうやら国際コミュニティからは証明されたとは認められていないようだ。


日本語のWikiですら「ただし、ピーター・ショルツジェイコブ・スティックスらはPRIMSへの掲載決定後も「証明になっていない」と望月の証明について懐疑的・否定的な見解を表明しており、2020年4月現在、ABC予想の解決については、国際的な数学者のコミュニティのコンセンサスが得られていない


と書いてある。問題点はいくかあるようだ。①内容が複雑すぎる②京都大学数理解析研所の発行する「Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences」に掲載されること③その雑誌の編集長が望月教授で同僚が審査と編集者をしている点にあると思われる。


英語のWikipediaはもう少し辛辣で、2人の数学者の異論を論文を十分に理解してないことにして自分が編集長のジャーナルに通そうとしていると批判的である。

以下はその数学コミュニティの様子を取り上げているNatureの記事です。

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00998-2


ここの記事でわかる特に問題な点は、望月教授が若干Perelmanしていることみたいです。このPerelmanはかのポアンカレ予想を見事証明したものの、論文はアーカイブにプレプリントを投げつけただけで終わり、論文として査読を受けて出版はされず、フィールズ賞も断ってどこかに隠居してしまったロシア人数学者(元?)である。


おそらくここまで難しい証明の類の正解に近づくと、宇宙生命万物の全ての答えがなぜ42なのかわかってしまうのだろうか。。。もう何もかもが嫌になって引きこもりがちになるのでしょうか。。。


なぜか望月教授は自らの難解な証明を国際コミュニティに説明することを拒んでいるらしい。同教授の博士課程時代の指導教官であるGerd Faltingsも公に望月教授がもっと簡潔に説明する努力や理解を得ようとする誠意を失していることを批判しているそうです。


たしかに、もう少しで弟子が偉業を成し遂げるかもしれないのにコミュニティの理解を得られないのは師匠としてもなんか言いたくなりますよね笑


ともかく、世界中の高名な数学者たちが理解できないのに、査読者が理解できるのに納得がいかないのもわかります。かつホームジャーナルで既成事実化しようとしてる点は攻撃対象になりますよね。一方で、擁護的なコメントとして、「これまでも難問の証明は誰も理解できないものが数学の常」のようなコメントも匿名で寄せられており、誰も理解できない時点で正解なのかもしれません笑


またNatureの中では、Asahi新聞が望月教授の偉業という形で報道する点にも触れて日本のメディアに牽制を入れている部分もあり面白いです。


Perelmanのように査読はされてないが認められるのと、今回のように査読は通過しても認められてない点をみると、現代数学の難しい部分はもう査読システムじゃ成り立たないようですね。


僕には証明の正誤どころか内容すらわからないのですが、近いうちに白黒はっきりして願わくば証明が成功してると国際社会に認められるといいなと思っています!


にしても化学にも難問に取り組む人がもっといてもいいかも?え?なになに、論文が一年に一報もでないとクビ?よし、置換基でも変えるか!


僕も真理をのぞいてPerelmanしたいです。