博士課程を修了したらどこへ行くのでしょう。

私の在籍したとある旧帝国大学化学科の博士課程同期たちの進路を参考にその後を考えてみます。

まず博士課程に進学した人数 → 18人

物理化学 6人

有機化学 6人

無機分析化学 3人

生物化学 3人

学部卒の人数で割ると18/70でおよそ25%が博士に行きました。外部から修士、博士で入ってきた人はよく知らないので除いています。この数字は僕が入学した時のパンフレットと同じくらいなので、最近騒がれてる博士課程学生の減少は私の学部学科では該当しないようです。おそらく化学が潰しが効く学問なのもあると思います。

さてその博士たちのその後は以下の内訳になります。

博士課程3年で学位を取れた人→11人

半年遅れで取得した人→4人

取らずに去った人→3人

60%が無事に3年で刑期を終え出所しました。


その他の情報

学振DC 6/18 →33%


進路

ポスドク 4

いわゆる大企業 7

中小企業やベンチャーの雇われ研究員 4

行方不明 3

途中で消えた人が当然行方不明です。いい仕事につくケースは稀だと思われます。

大企業に1/3程度いけるので、選択としては悪くないかなと思います。中小やベンチャーに行った人たちは、第一希望ではなく大企業に決まらなかった次善の策だと思います。しっかり修了すれば仕事がないことはなく、ちゃんとやっていけるようです。

行方不明を除くすべての人が化学の研究を主な仕事とするので、専門が活かされることになります。一方で、他の仕事や国の機関(学振とか文科省で働く理系博士は必要だと思ってます)などで働く道は未だにほとんどないようです。そもそもやりたがる人もいないのが問題ですが。例えばドイツのメルケル首相は化学の博士持ってるんですが、日本の政治家にも一定数必要だと思います。だって資源に乏しい科学技術立国でしょう?

行方不明率は16%

多いと見るか少ないと見るか。消えた人を知ってる側から見ると、やっぱり理由があって消えていきますね。修士で就職決まらなかったとかとりあえず進んだけど研究好きじゃないとか。ブラック教員のもとで進学したとか。そもそもが博士の学生はただの労働力なので、一定数のヤバいやつがいるのはしょうがないと思うんです。クオリティを高くしたいのならば、ちゃんとした人が来るシステムに変えていかないと…