だいぶ研究環境がやばいことがメディアに知られてきて、「若手研究者支援を」といろいろな記事で目にするようになってきた。

だがそれをどうやって行うのかは、メディアと研究者が騒いだところで行政と予算の問題なのである。手始めに科研費の若手研究の採択率が異常に上がったようだ。ここ二年の間に科研費の若手研究をポスドクでもとる例を多く見聞きするようになった。これは結局上の先生に配ってるのと一緒ではなかろうか?だってポスドクってプロジェクトがあるから雇われているのであって、科研費を自分の裁量で執行するのはおかしい。

科研費を配るよりも独立ポジションだったり、自分の仕事(教授の名前が入らない)をする時間をもっと確立してほしいものだ。

ここで気になる、優秀な若手研究者(ここではポスドクとなりたての助教付近の人をさす)とはなにか?

たくさん実験をしていい論文を出す姿勢は重要だとは思う。だがそれは目的にはなりえないはずだ。

僕の知っている尊敬する研究者たちは、NatureやJACSにとおってるからとか流行っているからとかIFがどうとかはまず言わない。本当に知りたいことを一生懸命に見つめるのだ、それが純粋で独創的であればあるほど結果はついてきているように思う。

でも今の若手の意識は違うなと感じる、若手の中はもうほとんど高IF至上主義に侵されていると思う。近いうちに高IF論文を出せと言われたら、ほとんどの若手が同じようなテーマをすることになるのは間違いないだろう。早い人、運のいい人、器用な人はやり遂げる。その延長線上な思考として、高IFを持っていないとポスドクやその先のキャリアに進みにくいと、雇う側以上にオーバーに認識している気がする。その結果、若手は2分化していく。高IF論文を出せる環境に集まり、そのラボの知識をつかって論文を出すことに満足するひとと、それらが得られなくて自ら諦めたような人である。当然上の世代の先生たちからすると面白くない。かってに諦めたやつと、論文はあるけど知識も大きなテーマも持ってない浅い若手ばかりに感じるんじゃなかろうか。

実際僕の周りはどっちかが本当に多い、あとこの2つほどではないが以外に多い第3勢力が、論文も出せないしパッと見研究も好きじゃなさそうなのに口では研究超面白い超好きと言って研究職にしがみついてるお花畑若手。ポスドクのなり手がない日本だから成立する一時しのぎの楽園。最悪助教まで行って研究ポストを潰しかねないが、先生からの受けは意外といい。諦めてないし夢を持っているように見えるからだと思われる。。。

別に結果的には間違っててもいい、夢物語でもいいので難しい課題や大きなビジョンをもって研究をする若手研究者の友達、ほしいなあ。

僕は中間的な思想を持っている。論文を出せないのはまずいけど、それ自体が目的になってはいけない。コンスタントにちょっとずついい研究結果や更に上位の研究概念にじわじわと迫っていくような研究者になりたいしそういう友人を多く持ちたいとおもっている。

あ。そもそも普通に友達いないんだった。孤独は天才のあかし。。。(震え声)

誰か友達になってください。第三勢力の人でも構いませんので笑

皆さんは優秀な若手研究者とはどんな人だと思いますか?