うまい事いった人だけが残ると
夏にうちのラボをでてスウェーデンで二度目のポスドクをしているデンマーク人元ポスドクの話。
最近ラボメンバーがデンマークに旅行に行くついでに、デンマークの元ポスドクに会いに行ったらしい。
彼女はスウェーデンで二度目のポスドクを開始すると同時にアシスタントプロフェッサーに応募を開始して見事デンマークのアシスタントプロフェッサーの内定をゲットしたらしい。
しかし、この短い間にスイスの仕事まとめ、スウェーデンでの生活の開始、ジョブハンティングをこなす激動の中で、彼女自身の研究グループのテーマを考える力が足りないと気付いたらしくて、精神的に参ってしまったといってたらしい。セラピーと労働時間を削減していると訪問したうちのラボ出身の友人に明かした。
彼女はこれまでいい論文を出してきたし、ハードワークはできるしコミュニケーション力も抜群だ。ただ、確かに、今までのボスが出した最初のテーマがうまくいき続けてきて、テーマで苦しんだ事ないんだなって今回この話を小耳に挟んで初めて気がついた。正直、最近アカデミアをするする進んでいく人に共通するのはラボのあたりテーマをハードワークすることで論文をぼこぼこ出すタイプの研究者な感じがする。
では、これまで上手く行くことが前提だった人が、うまくいかなくて壁にぶち当たるとどうなるのか。結構こういう風に塞ぎ込んでしまう若手も多い気がする。失敗や壁にぶち当たった時のレジリエンスが経験不足で足りないんだと思われる。他方、上手くいかないテーマを試行錯誤して論文にこぎつける燻銀な若手研究者は論文数やコミュニティを作る機会がガクッと減るので生き残らない。
そんな事を思った。しかし大丈夫かなあデンマークの友人。
そんな心配をしてたらそのデンマーク人からメッセージが来た。「二月に追加測定にバーゼルに行くよ、飲みにいこ〜」って。おーう。元気そうじゃないか。
インド人の推測では、デンマーク人は全然元気で、疲れていて旅行に来たラボメンを長い時間相手にするのが面倒でそう言うことにしただけじゃないか?とのこと。
うーん、そんな嘘つくような人でもないし、実際元気そうだし。謎は深まる。来月にバーゼルに来た時に明らかになるかな?
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