化学と工業が、「博士学生の待遇改善をして再び増やす」ことを特集していた。


何度も言ってるけど、博士課程の経済事情は確かに厳しい、ただその減った博士を取った後の方がもっと厳しい。


なぜ、博士を取ったら得するように変えずに、場当たり的に博士の学生を増やそうとするのか。


博士を取った後の若手研究者の独立性を担保しないと、いつまで経っても出身ラボの教授のお気に入りの自我がない若手が生き残ってしまう。

そしてポスドクとしてしっかり経験を積み、研究室主催者として助教を始めるシステムにしないとドンドン世界の流れから置き去りにされていく。だって今の教授たち久しく新しい研究を始めてないでしょ?


結局、教授たちが若手の労働力を搾取する既得権益を手放したくないのだ。だってこんなに研究力が低下をしてるのなんか日本だけでしょ?最も違うところは若手の自由度が低いというか、学術界のヒエラルキーが強すぎることだ。


例えば、新学術領域研究やCRESTやEratoやさきがけなど、こんな中央集権な研究費をやってる国なんか聞いたことない。大きい科研費を扱う国もあるけど、PI以外はポスドクかパーマネントのラボスタッフだ。助教や准教授がその大きな金のおこぼれをもらうためにお偉い教授たちを気持ち良くさせるために腐心しかねない金の配り方は有害であると思ってるのは僕だけだろうか?


そして、この前落とされた大学の教授はその学科の他の先生たちを、若手を搾取することでサボってる奴が多いのは純然たる事実と認めて、自分の思う問題点を共有していたと思っていた。だが、蓋を開けると研究内容が合う人を取りたいという、結局自分の研究内容を発展させるための人事をした。今思うと強烈な矛盾だと思っている。


そして助教や准教授をPIにするのに躊躇があると言っていた。日本の若手研究者はいきなりPIはできないとか言っていた。そんなことはない。それはあなた方がしょうもない若手をこれまで雇ってきたからそう思ってるだけだ。海外のポスドクでも日本のできる若手くらい研究できるやつはそんなに合わないけど、それでもしっかり研究室を立ち上げてしっかりと研究を軌道に乗せてるのを何人も見た。


日本の教授たちは若手を搾取してるつもりはなくて、むしろ独立に向けてサポートしてるつもりでインキュベートしてるつもりのようなのだ。さながらエンジェル投資家のように、アイデアやお金や装置や学生を使わせてあげるからトレーニングしてねと。


悪意がないどころか善意なのだ。若手の活躍を阻んでいるのに、それに気が付かない。この独立心のない若手が生き残る感じと、善意から搾取するシニア、まじで重症なんだよなあ。