みんな大好き学振のお話です。専攻が化学なので大まかに化学の話です。

学振とは、採択率20%の選ばれし人種を決める戦いのことです。通常の博士進学の場合DC1の申請はM2のゴールデンウィークに提出になります。この段階で一部の選ばれしドクターの選別がはじまっているのに今となっては震え上がります。

もちろん日々の研究成果と本人の努力や研究のセンスが大きく影響するのはわかります。ですが、実験系の場合はかなり研究を進めるテクニックや実験操作の習得に時間のかかるもので、論文よめるでしょ、はい研究やってねとは行きません。M2の前半でこれまでの研究成果をしっかりと埋めることができる研究はかなり指導教員の設定がしっかりしている場合、引き継ぎのテーマ、本人が豪運のいずれかがほとんどではないでしょうか。

僕の学位をとった研究室では、僕の知る限り博士過程に進学した人数が15人程います。学振DC1を取れた人が1人。学振DC2を取れたのが4人です。33%ですね、全体の採択率を超えてますやったー。残念ながらそうではありません。

毎年20%合格で3回挑戦できるので、DC2から新たに参加する人がいないと仮定すると48%くらいの人は受かるのです。。。相対的に見て厳しい研究室であることがわかります。

中には指導教員が書くと言った話も悲しいかなかなり聞きます。実際に所属した研究室でも一度目撃しました。お気に入りの学生のために学振を代わりに書くなど言語道断です。

また採択された学生一人につきおおよそ年100万円いかない程度の研究費が支給されます。研究費に困っている先生が書きたくなるのもわかりますね。ラボによっては使用権が学生になく本来の申請研究と異なる支出に使われているとも聞きます。この100万は学会参加費や日々の物品購入として使い切るは大き過ぎて、研究に必要な装置を買うには小さ過ぎます。また、学位を取得してない学生が国民の税金である研究費を使用する権利を持つのもどうかと思います。個人的にはこの科研費の部分は要らないと思います。

最近話題になったように7000人に年間290万円ほどの支給を決めたようです。学振の採用が年に1700人程度なので、合わせて8700人に支給される計算でしょうか。これはおおよそDC1と2を合わせた申請数になります。博士課程在籍者数を見てみると7万人を超えています。半数ほどは医者の博士課程ですので、金銭面において困ることは少ないと考えられます。一方で3万人以上いる博士のうち企業に籍を置きながら学位を取りにくるけしからん人間が年に6000人程度いるので1万8000人程度は給料が会社から出ています。ざっくりとした計算ですが、残りの5000人程からリーディング大学院や給付型の奨学金の受給者も入れると1000人ほどはいるのではないでしょうか。あと4000人分拡張するだけで全員に支給されるのです。学振の研究費分を当ててもう少し財源を確保できればもう少しで全員分ですかね。

個人的には社会人博士は強く反対です。海外でそのような例は見ませんし、ただでさえポスドク問題があるのに企業の都合が強い研究に格安で学位を与えていいのでしょうか?せめて学費として年間2000万円はとってもいいと思います。それで人数が減ったり大学の収入が増えれば課程博士の待遇改善に役に立つのではないでしょうか?

とりあえず、通らなさそうでも博士課程にいる間はDC1と2出しましょう。通らなくても採択率が毎年同じと言うことは申請数が大きくなれば採用数も増えます。または採択率が低くなってより金銭的な援助の議論が活発になるのではないでしょうか。厳しい状況が続きますが、何とか頑張っていきたいですね。。。

少しまとまりが悪いですが、学振の採択率と金銭的な援助を調べてみました。僕自身の学振との戦いはまた別の機会に詳しく描きますね。ではまた。


参考サイト

博士課程の人数

学振