大方予想していた通り、スイスのラボの週末はかなり静かです。

僕のいるグループは基本インド人以外は来ません。インド人もフラっと好きな時間に現れて少ししたら帰る程度です。

スイスの働き方は平日の効率がすごくいいように見えます。同じ実験室のドイツ人は博士課程2年目途中ですでに450実験程しているようです。一つ一つの実験のクオリティまではわからないのですが、すごく集中して効率的に働いてるのは間違いないでしょう。そのドイツ人は9時にきて午後5-6時には帰るので日本の長時間ラボにいるにもかかわらず彼ほど実験ができている人はほとんどいない気がします。

日本と違い、なぜそこまで集中して実験ができるのでしょうか。個人的な意見なのですが、こちらの人はほとんど研究活動中にもやもやしません。日本の博士課程を過ごした人ならわかるかもしれませんが、これでもかというほどうまくいかないし、先生も博士課程の学生に細かな指導をすることはないと思います。そこでうまくいかない理由や、もっと面白いことがないか、はたまた先生が言ってることに同意できない、なんてことが日常茶飯事で起こり、手を動かすだけでいいわけではないのだと思っています。

しかしこちらでは、マスターはドクターと少し研究をやる程度なので、ラボのメンバーはポスドクかドクターの学生になります。先生が主にテーマを与えて指導をする最小学年が博士課程ということになります。ですので、緻密なテーマ設定の共有やディスカッションのレベルが博士課程以上で日々行われていることになります。これはグループリーダー(PI)によるところも大きいのかもしれませんが、テーマの設定も基本的にはかなり合理的で、日本のB4に与えるテーマのように「先生これ昨日考えただろ・・・」というようなひどいものは絶対にありえません。それと日々の研究ディスカッションでポジティブにガンガン実験ができるのだと思います。

その反面、修士課程の研究アクティビティがこちらでは低いうえ学部では研究室に出入りすることすらめったにないため、修士卒では日本の教育のほうがしっかりとしているといえます。

さて自分はというと、集中して平日にさっさと実験をしたいのですが、相変わらずうまくいかないときに、なぜだなぜだとずっと考えたり論文を調べてしまってまだまだこちらのカルチャーには慣れません。平日の効率が悪い気がして、土日も実験をしにラボに行ってしまう悪循環です(スイスに何を学びに来たのやら。)。明日は日曜日なのにインド人と[See you tomorrow]といって別れたのを機に効率的に働けるように心機一転頑張ろうと思いました。