皆さん一度は聞いたことありませんか、引き寄せの法則。強く望んでいれば、行動に移していれば願いは叶う☆ってやつです。

一つ言わせてください、アカデミアに引き寄せの法則はありません。アカデミアで生き残り研究者になる夢を強く持ってた先輩たち(ほど)無惨なことにすぐに消えていきました。むしろ逆引き寄せの法則、同じ研究業績でもこんなこと言ってる(態度に出てる)能力普通の院生の方が自分なんて…とか言ってる院生より真っ先に淘汰されていきます。

俺、学振取ってドクター行くわって言ってる学部生ほど学振にチャレンジすることなく修士卒で就職していきます。

なぜでしょう?僕の感覚では、自分を客観的に見る力がこの引き寄せの法則系博士課程の踏み絵的に働く気がします。

別に物凄い結果があってそれが実力な若い人たちもいるかもしれません。そういう人達は高らかに宣言しなくても未来がひらけてるので淡々と研究をするだけです。声高に「僕は研究者になる」と言う必要はもはやありません。


そうじゃない場合の正常な人は少しでもアカデミアに行きたい場合、目上の助教や直近ポストを取った人と自分のこれまでやその年齢までの予想されるアウトプットを比べると思うんです。そうすると、そう簡単には「俺でもなれそう」とは言えないはずです。つまりそんなこと言ってるやつ、自信があるやつは大半が客観性の欠如です。こういう類の客観性は非常に大切です。実験や研究の組み立て、化合物の安定性や測定法・装置の限界など客観的指標が基本的にはあります。それを考慮して面白い結果を出すのが、化学実験系の研究の前提です。

そこでこの自分を信じている方々、つまり現実が見えていらっしゃらない。研究を見つめて現状に厳しさを感じてもなければ、その後のキャリアパスも謎の神通力が働くと思ってます。さらに他の人が気に食わなかったらブチギレます、たとえ自分がもっとやばい事をしていても(そういうひとまわりにいませんか?)。客観性の欠如は致命傷です。

周りにそういう人がいたらもう手遅れです、放っておきましょう。どうしてもなんとかしてあげたい場合は、根気よく現実を見る手助けをしてあげるといいでしょう。夢を見る前に現実を見てそれから夢を見てみようよと。

こちらの話は主に研究内容や業績とポスト争いのことで、日頃の生活は元気よく前向きに一生懸命取り組んだ方がいいことは言うまでもありません。一部で根拠のない自信が若い頃には重要(若者は元気が一番の亜種)というおじいちゃん先生方いると思いますが、僕は否定的です。研究と業績にはそれは当てはめちゃいけません。



写真はバニラヨーグルトを食べたくてそれをすごくイメージして買ってきたら蓋はバニラヨーグルトなのに、引き寄せられなくて中身がブルーベリーヨーグルトだった写真です。僕も現実がきちんと見えてなくて、客観性がないのかもしれません。