スイスのバーゼルにきて一年と少しがすぎた。

最初は窓からアルプスが見えると期待してきて、アルプスはおろか野山どころかビルしか見えない時は大層ガッカリした。ググるとアートと音楽と製薬の街バーゼルとかはよく出てきて、確かに美術館と音楽院とロッシュタワーはかなり有名なのだが、僕の思うスイスっぽい、アルプス、チーズ、動物たちの大自然的な観光地は遥か遠くだった。


ところがどっこい一年もたつとこのライン川沿いの小さいスイス第三の都市にだいぶ愛着も出てくる。というか一周回って大好きになってきた。


最初はファスナハトを代表するキモいキャラや、至る所にある落書きと変な彫刻で溢れる街が、オシャレなヨーロッパをイメージしてたジャップをナントモ言えない気分にさせてくれたのだが、そんな微妙なダサさが一周回って愛おしくてたまらなくなってきた。


今日はそんなダサ素晴らしいバーゼルの魅力をこっそりと教えちゃおう。この滅多に褒めない、というか愚痴っぽいブログの数少ないベタ褒め記事だ。



それではいってみよう。

ファスナハト(Fasnacht)

スイス最古のフェスティバルらしい。仮装して音楽鳴らして3日もカーニバルを楽しむ。謎のキモいお面は冬の悪魔?的なモノでそれを追払い冬の終わりを祝うのが起源のようだ。



僕がきてからはコロナで2年連続で中止なので画像はスイス観光局からの拾い物です。見てください。このキモいお面、絶望的にセンスのない市民が昔からこの地を守ってきたことがわかります。この祭りに欠かせないのがメールズッペ(Mehlsuppe)。小麦粉を溶いた不味いスープらしいです。笑

うーん絶妙。これぞバーゼル。


次。レーレンコーニッヒ(Lällenkönig)

舌出し王とか舐め回し王的な意味だと思われる。

これは知る人ぞ知るバーゼルの王様(と言ってもスイスに王様はいないのでもちろん実在の人物ではない。)ナポレオンも泊まったと噂される超高級ホテルles trois rois(3人の王様)のそばのSchifflände 1の建物に付いてるベロをベーって出したムカつく顔した王様です。

初代は、博物館に所蔵されていて1658年に初めて文献に登場する。それよりも前にその近くのバーゼルで古くからある橋(Mittlere Brücke)に取り付けられたのだとか。



なんとその初代様、時計と連動して4回/minの頻度で舌をベロベロと出す仕掛けが既にあったのだとか。そしてその取り付けられた理由がなんと…不明!これぞバーゼル。なんかライン川をドイツ側から渡ってくるやつを馬鹿にしてるという説もあるが、確たる証拠はないらしい…



二代目と三代目はまだ建物に取り付けられていて、下についてる三代目は人を追いかけて目が動きます。キモい。二代目は動かない彫刻でちょっとイケメンすぎます。バーゼル市民を代表して二代目は落第点だともうしあげましょう。

至る所に舌出す王様的シンボルがあるのはこの歴史的意味不明キモ彫刻が所以らしいです。歴史に深く関係する挑発的キモ彫刻。マジでレベチ。


本日の最後:バジリスクbasilisk

まだまだあるけど、今日はこの辺で最後にしましょう。バジリスクはニワトリの頭と蛇の体を持つ有名な空想の生き物です。ニワトリの卵を蛇に温めさせると生まれるらしいですよ。

そんなバジリスクの彫刻が至るところにあります。特に水が飲める噴水が至る所にます。



旧市街の中には初めてバーゼルでバジリスクが生まれたところに記念碑が立ってるんだとか。写真はただの彫刻です、生まれた場所はこれから探訪します。

なんでバジリスクかって?ここまでお読みな賢明な読者の皆様は既にお気づきでしょう。

バーゼル、バーゼル、バジリスク…

一説によると語感が似てるかららしいですよ。ダジャレかよ!


こういうところです。就活でよく使われたと言われる私は噛めば噛むほど味の出る、スルメの様な人間です。というワードを借りてスルメの様に住めば住むほどほど味が出るバーゼル。最高にダサ愛おしい。