かねてから言ってきたが、僕は日本でも助教になる前にポスドク2箇所は義務付け、助教は全てPIにするべきだと思っている。

最近でも化学では、博士取り立てで5-7年を助教でボスのいるラボの研究をしてそのまま准教授になる例がかなり多く、その後教授になって(ようやくPI)展開されるものは助教-准教授の時のラボの再生産で、新たな研究に挑戦する機会や気概を失い新たな芽が生まれにくいと思っているからだ。

そんな信念からポスドク2箇所目を精進中なのだが、今の即助教とポスドク1-2箇所が入り乱れている日本のアカデミア(化学)はなんとも言えない息苦しさがある。博士課程をどんだけ早く終えても27歳ですでに結婚適齢期である。結婚や子育てと言ったライフイベントとポスドク業務の兼ね合いが非常に難しいと感じる。

ポスドク2箇所をやるとしたらどこまで頑張っても31-32歳にはなる。同級生の彼女はおそらく待ってくれないだろう。無意味に30過ぎるまで待つのか、彼女が同期の修士卒だと7年近く待たせる事になる。というか捨てられますわ…

さて、日本のポスドク仲間で結婚している人はほぼいなかった。アカデミアで結婚してた人は助教にすぐなるか、一ヶ所ポスドクを二年未満で終えて30ギリ手前で助教になり結婚する例が多い気がする。それを過ぎると35-40でポジションが安定してから少し年下の人と結婚するパターンが多いようだった。

さて僕は1歳の娘を連れた子連れポスドクだ。ポスドクで子育てをすると、どうしても気になるのが、このオムツを変えてる時間もライバルは実験や論文の執筆に時間をあててるんじゃないかという類の焦りだ。。。

実際研究室にいる時間もガクッと減るし、帰ってからは娘のご飯とお風呂と寝かしつけを妻と分担で(というかほとんど妻がやってくれてても)やっぱりかなり疲れてしまう。

個人的にはそれでも結婚して子供がいて幸せだと思う。実際助教になってからって考えたこともあったけど、なれるかどうかわからないものを待っていたってしょうがない。娘が可愛くて幸せだ。もうそれでアカデミアを続けるのが無理でも十分いい人生な気もしてる。

やっぱり100%自分の時間を使ってる他のポスドク達に負けてもそれは仕方がない事だと思う。自分がいかに効率的に進めても、子育ての分やっぱり差が開くだろう。

それを踏まえてなのか助教になってから子供が多いのだろうか。

ポスドクもその先の任期付き助教も、普通に結婚や家族との兼ね合いに関しては不安定な時期は長く続くし、実際独身の知り合いもかなり多い。このままアカデミアは結婚・子育てが難しい状況が続けば、結婚して普通に家庭を持ちたい人はつけない職業になるのだろうか。もうしくはもうそういう認識だろうか。

助教で安心して子育て開始すると研究ぱったり進まなくなる気もするし色々と考えさせられるテーマな気がします。