自称ついていない系ポスドクの私、ついに選ばれました、当選したのです。

スイスポスドクに吉報かと思った皆様、大変申し訳ございません。助教ポジションでも、さきがけでも、そのほか研究界隈の話ではありません。

バーゼルが定期的に行なっている、子供持ちで暮らす家庭を対象にした、バーゼルの暮らしやすさアンケートです。無作為抽選で選ばれたようです。

なんと分厚い冊子に、80付近の質問項目があり、収入や労働条件をはじめ、子供とどう過ごすか、学校や保育園幼稚園の距離、サービスの質、近所の人との協調度合い、子供に望む学歴などを網羅的に満足度を答えなければいけません。

家族は帰国してしまったのですが、スイスにお世話になったので、暮らしていた時の情報を元にフィードバックをすることにしました。めちゃ時間かかりました。


スイスの子育ての支援姿勢はわかりやすい。こういう大規模なアンケートに始まり、色々な相談窓口があったりとかなりサポーティブな雰囲気だ。

子供がいると州から一律で給付金が出て、収入に応じでかなりの健康保険の割引も受けられる。州とは別に職場からも給料に上乗せされる。

みんなベビーカーにスペースを譲るし、一緒にあやしたり手を振ったり、トラムの乗り降りで手こずってたら手伝うのなんか当然、むしろしないのなんか信じられない。

翻って日本、人口密度の違いがあるにしても、電車にベビーカー畳まずに乗ってきたら舌打ちする人、泣き止まない赤ちゃんにイライラしたり、お子様にお子様な対応をする大人がかなりの数暮らしています。スイスでも少子高齢化するんだから日本の少子化速度が異常なのも納得。

あと日本の扶養で控除が変わる謎のシステムは分かりづらくて正直言って計算不能だ。増えるんじゃなくて減る量が減るのがなんともベネフィット感がないのだ。振り込まれる数字が増えるのは一緒かもしれんが。



そういえばこの間、Youtubeほったらかしてたら勝手にたどり着いたビックダディの対談番組で、現代人は子育てにお金がかかるのを嫌がってるんじゃなく、子供のために自分の生活水準を落とすのを嫌がってるという趣旨の発言をしてた。たしかに、一理あるなと思った。お金が本当に足りなくなる人は見たことない。単純に「自分」が大切なのだ、自分の知人も、子供や結婚はいらないという人は、自分さえ良ければ、今さえ良ければいい人が多いかなあと思った。

自分がオムツを変えてもらうのを始め、色々な人の時間を消費してもらって大人まで育ってきたのに…自分はそういう時間を提供するのは嫌なんでしょう。しかし意外とすごく考えさせられること言うんだな、ビッグダディよ。

娘かわいいよ。思ってたよりずっとずっといいものだったよ、家族ができるって。

そして、家族と一緒に住まないでポスドクを続ける僕も、ビッグダディ的観点からしたら親失格なのかもしれない。家族を思えば、安定して給料のいい企業にいくらでもいけたのに、ポスドクなんかやってるのは自分のやりたい事を優先してるんだもんなあ。

ごめんね、娘と嫁よ。

日本の住みやすさは、安全面と食事は素晴らしい。子育てと働きやすさ、なんとかなっておくれ。