さて、さきがけも大体完成に近づいてきました。


論文数では、おそらく同じ領域に出す共同研究者がたくさんいる助教や准教授の先生には遠く及ばないと思います。でも、他の人ができない研究スキルや自分の興味を大事に歩んできたキャリアは、自分の知る助教の先生たちには全く引けを取らないと思う。申請書の内容だって、全く歯が立たない内容ではないと信じてる。


まあ、でもやっぱり厳しいだろうな。ポスドクだし、次のポジションも決まってないし、ましてや海外だし、かつ今のポジションじゃできない内容で書いたし。


一箇所目のポスドク(at 日本)の建物には、毎年のようにノーベル賞候補と名前が上がる先生がいた。その先生は新たな化合物を先駆的に大きな分野まで育てたパイオニアといえる。


その先生が研究人生で屈辱的だった経験として、その研究初期段階で参加した国際学会で「そんなのはXXXでできるから意味がない。」とけちょんけちょんにされたことだと言っていた。実際は、その先生の注目した化合物はいろいろな利点が見つかり、大きく展開される領域となった。最初のそういうネガティヴなコメントは、XXXXが得意でそれしか知らない人からのコメントだったのだろう。


屈辱的な気持ちや恥ずかしい思いをして、その研究を辞めてたらその先生がそこまで成し遂げることにはならなかった。でもそうじゃあなかいから達成できた。学会でみる批判には的外れなものも多い。


これから僕は学んだのだ、どんな申請書も、ポジションの公募も出さなきゃ始まらないと。批判されても、そいつらは大体この先生より大したことないんだから、そんなこと気にせずいいと思える研究をするしかない。それしか道はないのだ。


しかーし、同年代の研究者に不満がある。学振PD、海外学振、若手研究、さきがけ。色々挑戦できるものはあるのに、全然挑戦しないのだ。


日本でポスドクをやっていた時、同じラボのポスドクポジションにきたメンバーが、フェローシップを応募すらしなかった時、大層がっかりした。


若手はどんどん申請しないといけない。出せば応募総数が増えて、科学技術費が増加していないなら採択率は下がる。その数値が低いと増額が検討してもらえるだろう。研究が好きならば、何かは申し込んで、この採択率を数字的に低くして次年度の科学技術費を増やす必要がある。


かと言って、僕も色々出してきたけど、やっぱりビビる。そんな僕の様子を見て周りの先生から「旅の恥はかき捨て」だぞとよく言われた。申請書も出して評価されない(採択されない)ことの方が多い。でもガンガン出すのだ。若手研究者たちよ。見知らぬ人から批判されても気にしてたらやってけない。心を強くもち情熱を維持しないとなあ。