偉大なる先人

一か所目のポスドクをしてた建物には定年退職した先生が無給の特任教授として在籍していて、週に1~2日の頻度で研究を細々と続けるために来ていた。 その先生はもうとっくに定年で引退した、おじいちゃんくらいの年齢なのだが、偉…

スイスのオーバードクター

僕と仲良くしてくれているドイツ人博士課程の学生は2021年の夏に基準となる4年が終了することとなっていた。 しかし、彼は博士論文として納得がいく記述ができずに、夏には間に合わなかった。ボスは彼のこれまでのラボへの貢献…

大学ファンド

10兆円の原資を年利3%で運用して利益を大学の活動費に充てる大学ファンド計画。 その全貌がだんだんと見えてきましたね。 この落ち目の国で数個(最初は試しに3個くらいらしい)の大学を選んで年数百億円を支援する代わりに…

嫉妬

こちらに来て思うことがある。 日本人(アジア人?)って陰湿で根に持つ性格の人が多い気がする。 例えばある日のスイスのラボでのこと。ラボメンバーが他の誰かの測定サンプルを倒してこぼしてしまったことがあった。それは非常に重…

仕事始め

スイスはクリスマスからぼちぼち休み人がいるけど新年の仕事を始めるのは早い。 今年は2日が日曜日だったので3日からだが、平日だと2日から仕事を開始する。 クリスマスを大切にするけど正月はあまり長く休む文化がないのですぐ…

一年が…おわる!

あっという間の一年でした。 今年はオミクロンもあるので年越しはスイスになりそうです。 一体いつまで帰国者の締め付けが厳しいんでしょうね日本は… 実際そんなにもう重症化しないなら、風邪をカウントしてるだけじゃないのかな…

すごい速度で博士課程の経済支援が改善されるぞぉ

博士課程の経済的支援プログラムの採択大学が決まったようだ。 あまりに早い展開にびびっている。 こんなに早く動けるなら、もっと改善して欲しいものが山積みな気がする。 ポスドクの身分から言うとこれは恐ろしい。まだ博士は余っ…

一人前の条件

うちのラボのボスはジュニアPIと呼ばれるアーリーキャリアの助教のスーパーバイズもしている。 数ヶ月前に一回そのグループの報告会を、うちのグループと合同でやった。そのPIはETHで学位を取ってアメリカの名門でポスドク…

大学格差と競争主義

九州大学が指定国立大学に採択されて10校になったようだ。この指定国立大学、国際的に競争力のある大学に特別な支援をする制度のようです。 日本の国立大学は86校ほどあるので、10%ちょっとが指定されたことになる。こうやっ…

ヨーロッパのラボあるある

今日は短めにウチのラボあるあるでも語ってこうと思います。 1  ベンゼン環だいたい縦につぶれて描かれる。 大体潰されて書かれて、結合長いです。 こんな感じです。 あるある〜と思った人シェアしてください。 2 ケーキブ…

科学技術が衰退して、だからなんなのか

元?科学技術立国日本の最近の風潮は若手研究者の不憫さと人材の海外流出をクローズアップすることのようだ。 実際は、優れた若手も少ないので流出というほどのものはほぼないと思う。流出できるほどの人材がいない、が僕の感想だ。 …

何も変わらない?日本の講座制

なんか僕より年齢が下の人が助教になる例が増えてきた。歳をとったなあと思う反面やっぱり釈然としないことも多い。旧帝国大学の化学系の助教でさえ論文2−3報でポスドクを経ずに就任するのが目につくようになってきたのだ。(内容…

田舎出身の研究者

真鍋先生のノーベル賞受賞後、先生が田舎町出身だったことから他鈴木章や中村修二も引き合いに出し田舎出身の研究者は大成すると言うことが雑誌記事に書かれていた。 果たしてどうだろうか、湯川秀樹や朝永振一郎はバリバリの都会…

博士課程後の進路

博士課程を修了したらどこへ行くのでしょう。 私の在籍したとある旧帝国大学化学科の博士課程同期たちの進路を参考にその後を考えてみます。 まず博士課程に進学した人数 → 18人 物理化学 6人 有機化学 6人 無機分析化…

スイスの修士(マスター)

スイスの教授たちは日本と比べてかなり研究にさく時間があり、全体的にうまく働いているように見える。会議もかなり少ない。特に違うと思った点は、学部と修士の研究室での扱いだろう。 スイスの学部の卒論は1ヶ月程度、 スイスの修…