何も変わらない?日本の講座制
なんか僕より年齢が下の人が助教になる例が増えてきた。歳をとったなあと思う反面やっぱり釈然としないことも多い。旧帝国大学の化学系の助教でさえ論文2−3報でポスドクを経ずに就任するのが目につくようになってきたのだ。(内容もぱっと見では博士を過ごした研究室のルーティンワークがおおい。)
講座制の弊害をなくし、欧米のスタイル(若手は付きでテニュア審査を付する)に近づくのが目的のテニュアトラック制度や助手→助教の大学改革からおよそ15年。依然として化学の分野の研究大学は講座制をしいていて、若手でPIとなるチャンスは小さな私大か国立研究機関の若手PI制度くらいしかないようです。小さい私大や国研でPIとなってもスタートアップの資金に乏しく人材が集められず、結局自分だけの城で細々と研究を進めることになる。
つまり研究をごりごりしたい場合はPIを泣く泣く諦めて資金潤沢な研究室の一員になり、ボスの仕事を手伝った余暇で自分の研究をする選択がメジャーなままだ。
制度は変わらないようだが、若手研究者は変わってきた。昨今助教の再公募を見ることが多くなってきている、めぼしい候補が応募してこなかった様である。昔のようにものすごい倍率で助教を勝ち取る時代じゃなくなってきていると感じる。
実際に海外にいる日本人のポスドクや博士課程の学生と最近話をしてたら、日本の助教にだけはなりたくないと言うのが全会一致の解答だった。
日本の助教になるくらいならヨーロッパで企業勤めやラボテクニシャンをやる方が良いらしい。僕はアカデミアをさるなら日本で化学じゃない仕事につきたい。
やっぱり海外でPIと二人三脚で研究すると、日本の助教というポジションに強烈な違和感を感じるようだ。特に文句が多かったのが、助教のセカンドオーサーでコレスポ問題。世界的に見るとラボのラストオーサーでコレスポがついてる教授の仕事という風に捉えられるので、日本人にしか伝わらない助教の仕事ですアピール。搾取され続ける構造、海外にプレゼンスがない助教は自分の仕事と思っているが、実際は国外の誰も気にしていない。
そして若手人材が貧弱になってきた今、独立する能力のない若者は喜んで講座制助教の道へ。ぶつくさ文句を言いながらも、でも装置も使えるし学生も使わせてもらうにはこれしかない。現在の助教のみんながこういうので一見満足しているように見える。ですので制度はまだまだ変わらずに、反面に優秀な人はアカデミアに残らずにさっていくのでした。
自分を棚上げにいうと、最近の若手研究者は研究への芯のない人がおおい。割にすぐ助教のポジションが決まる。もうおしまいも近いのでは。もしくはもう手遅れか。
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