Jacsがまた僕の前のポスドク先で一生懸命やった論文を、「インパクトなくて細かいから専門誌がいいと思うんだっ」ってリジェクトしてきました。

つか、たくさんアクセプトされてる電池とかの電極材の方が細かくないかい。まあいいや。

次に試したのがAngewandte、こちらの論文誌とは最近相性が悪いようで、あまりまともに取り合ってくれないことが多いです。案の定エディターリジェクト。

自分の論文の書き方もまだまだ未熟だと思う一方で、研究自体のぱっと見の派手さや訴求力がやっぱり足りてない気がしてきた。でも例えば、世の中には普通の読者には分かりやすくなり得なかったり、図にしにくい大発見もかなりあるはずだ。例えば、相対性理論を図示するのは無理だろうし、クラゲから単離された蛍光タンパクもそれがバイオイメージングにここまで役に立つとは分からなかったはずだ。しかし偉大な発見に相違はない。

はぁ、まあぐちぐちいってもしょうがない。ChemSciはグループから投稿中の論文があるらしく、あまりかぶりたくないとのことで、次どこに出そうか。

そこで昨年始まったJacsAuはどうだろうとなった。ただでさえ難しいJacsのさらにゴールドなのだ。名前だけならJacsの後にトライする雑誌じゃないが、ゴールドとはゴールドオープンアクセスのことのようで、無料で誰でも見れるJacsを目指しているらしい。

日本ではなんか注目度が薄いみたいでいまいち存在を認識されていないようだ。スイスのラボでは、まだわかんないけど、恐らく同等くらいにはなるんじゃないかという意見。インド人は論文誌があまり読めない大学が沢山あることを理由にオープンアクセスのJacsAuの方がIFは高くなるだろうという見立て。

十人十色。日本は権威主義で新しいものへの初動が遅いのは今回も一緒のようだ。流石に権威が予想されすぎるNatureChemの時はすごい食いつきだった様だけど。そもそもあの時代はまだ日本の化学が全般的にかなり活気もあったか…泣


わかんないけど物は試し。とりあえずインパクトをもう少し別の書き口でハイライトする様に書き直して1月末に投げ込みました。

チラッとみた所JacsAuは毎月一回20-30報ほどがパブリッシュされていて、割り当てられた原稿のIDは2022年の600番近く。この番号が順番に振られてるとしてかつ一年の中で偏りがなければ、ひと月に600ほど投稿された中で多くて30がアクセプトされる計算になる。あれ、5%しか通らないの?笑

ノーマルJacsが2021年に51 Issuesで一つにつき30-40報くらい掲載される。エディターリジェクトのメールには最近15-20%しか掲載されないと書いてあるので、年間おおよそ8-10千報ほど投げ込まれている計算になる。

今月の速度が一年同じならJacsAuは今年7千報ほど投稿されるだろう。

あれ?すでに結構迫るほど投稿されてる?もしやもう世界的に人気の兆しなのか…それで、ざっくり予測採択率5%か…うーん。厳しそう。次出すジャーナルでも考えますか〜

かなりラフな推定なので、みなさんご参考までに。


画像はムンク美術館のなんかの絵。論文落ちると叫びたくなる。