昨日のゲストを迎えての博士課程の学生の公聴会だった。


そのスイス人の学生は、インド人の化合物のアイディアを3年近く合成していて、その間にインド人と仲が悪くなっためんどくさい人なので僕は全く関与しないようにしていた。


その学生は、ほとんど実験をしないのに実験をしているふりをし続けていた。合成が難しいとぼやいていた化合物が僕の化合物の途中経路にあった時に自分がひょいひょいと合成したら、そんなに簡単にできるなら早く教えろとブチギレていた。性格に難がありすぎる…


研究に嫌気がさしたらしく通常は4年の課程を半年ほど早めて卒業するのをボスと交渉して承諾させたりと、世渡りがうまい感じだ。


そして公聴会が始まる。1枚目のスライドからその学生がやったプロジェクトを語る。そして驚くことなかれ、先行研究の紹介や参考文献が一つもない。イントロもない。そんなこと公聴会であるのか?そして内容も論文一報分以外はプロジェクトが終わらなかったので割愛された。インド人が考えた化合物(珍しくパクリではない)はついぞ日の目を見ることはなかった。


普通お世話になった人に謝辞を言うのが、こちらの慣わしである。そして予行練習の時はあったインド人への謝辞が、本番の今日は綺麗さっぱり消えていた。そして涙ながらに、仲良しドクター3人組を形成している残りの2人への謝辞を言い続けていた。。。えぇ。。。まじかよ。。。


インド人といかに揉めたと言っても、彼が時間を割いてくれたことに感謝するのが知性のある動物としての正しい行動じゃないのか?そんなこんなで世界にまた1人博士が誕生した。


そしてもうドン引きの極みのアペロ(打ち上げ)で、その学生は感謝の手紙をみんなに配り始めた。


その女子学生と仲の悪い女子学生が2人いるのだが、1人とはずっと仲が悪く(その学生自体は今回の博士になる学生を嫌ってるわけではない)、もう1人とは2年目くらいに揉めて仲が悪くなったらしい(自分が来る前、こっちはお互い嫌い)。


その手紙には、その2人を除いた博士学生みんなの名前と感謝の言葉が述べられていて、最後に途中で仲悪くなった1人に対し、初めの2年間だけ仲良くしてくれて本当に本当にありがとう!って書いてあって、もう1人は完全に無視。


なんじゃこりゃ…そんなこと書く必要ある?そしてみんなに配る必要ある?


ボスは彼女がそういうことしてるのを知ってるか知らないかわからないけど、彼女にすごくいい感謝とお祝いのスピーチをしていた。


やる気のあるポスドクには、この上ないボスだけど、正直言ってこういう学生を放置する点にかなりがっかりした。別に働かないだけならいい、彼女の振り撒くこういう負のオーラが研究室のアクティビティを下げまくっている。


まだ2人も同じタイプの彼女の仲良し学生がシニアの博士学生として残ってかなり影響力を持っている。この1年の間に6人もポスドクがいっぺんに抜けるし、いかにボスが優秀でもこのラボのアクティビティが下がるのはほぼ間違いない気がする。