論文撤回とその後
すごくモヤモヤしている。日本の某有名研究室から報告されていたNatureに引き続きJACSも撤回がされたのだが、その論文撤回という行為はどうとらえればいいのだろうか?
いろいろな研究者のブログで指摘されているように、日本は捏造大国である。「回数が多い研究者」を見てみるとトップ10人のうち5人が日本人である。
さて、この研究室より別の有名研究室からもNature姉妹誌などが論文撤回されている。この二つしか身近な分野での例は知らないが、Nature やその姉妹紙に出された論文は厳しい目にさらされたり追試が行われて不正が見つかりやすいようである。
一方で、Natureでの研究不正は許されないけど、Chemistry Lettersならいいのか?現状同じ不正でも後者を煩く追求する人はいないだろう。まあ研究コミュニティに与えるダメージの大きさには天と地ほどの差があるからだろうが、少し腑に落ちない。某万能細胞の追試に世界の研究者が試みた時間と研究費の損失を想像すると、罪の重さは違うのかな。
ラボの出版物リストからはその論文とRetraction noticeどちらも存在が消されていているとなると、知らない人も多いだろう。やらかしたとされるメンバーは歴代ラボ在籍者からも消去されることが多い。
筆頭著者が単独でやって責任著者らは気付けない内容であったため(本当かは不明)、論文撤回以外のお咎めはなしになっている。(追記)その後、直近の方はKAKENの停止があったようだ。
ちなみにどちらの研究室もいい論文誌にバンバン論文が掲載される。バレない捏造は上司の手柄、バレる捏造は部下の単独行動となんか半沢直樹みたいだなぁと。(注)バレてない捏造があると言ってるわけではないです。
まあ追い詰められても捏造はいけないのはそうだが、メンターとしてそこまで追い詰めてしまった点や、その様子に気づけないのはよろしくない。
何でこんなにモヤモヤするのか、おそらく論文撤回した以外に、事態が改善されてないからだろう。なぜそんなことが起きたのか?そのデータで色々な賞を受賞したり記者会見などプレスリリースしてたようだが、そこまで周知させた内容が撤回されたことや改善策もプレスリリースするのが義務のような気がする。
僕が行うテーマの関連や、ラボ内で行われるデータにあやしい点があるとき僕はしっかり質問をするし、ほとんど気づくことができる。実際他のメンバーのデータの捏造(に近い拡大解釈や測定法)を何回も指摘してきた。ほんとにインパクトがある研究なら徹底的に測定をしてるものだと思っていた。多角的に測定をすればいずれボロが出てくるはずだ。
気づかないなんて本当にあるのだろうか?高IF論文を出しまくれることへの嫉妬も含まれているのかもしれないが。
写真は傾いてる教会。傾いてるのは写真を撮るのが下手だから。日本の科学が傾いて見えるのも僕が傾いてるから?
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